裸体の「美」を描く時代的背景のなかに

古代ギリシア、古代ローマ時代の芸術作品の多くは、彫刻にも絵画にも人間の肉体美がさまざまな表現方法のなかで描かれてきました。

西洋文化のなかで中世キリスト教の時代になりますと、芸術作品のなかにおいても人間の裸体をえがくことはタブーとされ、貞操観念が芸術家たちにも求められた時代があったようです。

そのような抑圧された社会の流れのなかで、多くの人々が抱えたフラストレーションのようなものが一気に開花した時代がルネサンス期などと呼ばれております。

15世紀にそのような勢いが増したルネサンス期において人々は、人々が神々に制圧されることなく自由に生きていたとされる古代ギリシア、古代ローマ時代の芸術を彷彿とさせるような作品を次々と製作するようになりました。