芸術大国フランスへ

フランスを中心に流行した芸術様式「新古典主義」は、時代とともに「ロマン主義」と対当することとなります。理性を重んじた「新古典主義」に対して、感情を重要視する「ロマン主義」が、理性だけではなく感性を主軸とした「美」を求めるなかで両者が対立したと考えられています。さらには「ロマン主義」への反発が「写実主義」をうみだすこととなり、夢や理想、感情を全面に描く「ロマン主義」を嫌う画家たちは、目の前に横たわる現実をリアルなままに描くことで「ロマン主義」への反発心を表現していたようです。ヨーロッパにおける文化の中心は常にイタリアであると考えられてきましたが、その後フランスが芸術大国の名を欲しいままにする過程には、「アカデミー」と「サロン」の存在が大きかったと考えられているようです。