デザインに見る宗教支配の訪れ

初期の額縁(というより画枠と言った方が分かりやすいかもしれません)にみられる模様に建築物とみられるものから、植物の葉を模したもの、更の金や宝石、真珠の数珠と数多くのデザインが使用されているのは知られるところです。それらがどうして用いられるようになっていったか探るのも額縁という役割を知るうえで重要かもしれません。

なかでも一番分かりやすいのが建築物。当時の聖堂など人々の祈りの象徴ともいえる建物であることから同様に紋様を使ったのは想像に難くないでしょう。ヤシの葉の紋様や宝石や真珠の数珠などには、いずれ訪れるキリスト教で言われる吉のしるしとされていることから、その予兆を示すと言われています。またよく使用されていた金粉の金は、まさに宗教的絵画を囲むにふさわしいとされていたからと考えられています。