古代ギリシャ美術と言いますと「彫刻」をイメージされる方が多いのではないでしょうか。ギリシャ彫刻には人間の肉体の美しさが理想的な形式で表現されているようにみえますが、作品は神の理想をかたどったものであると考える専門家たちもいるようです。均整のとれた肉体がみせる調和の美は、古代ギリシャ人たちの考える「美」そのものをあらわしているようにも感じます。のちのルネサンス期に芸術家かたちが絵画などで表現する「復興」「再生」とは、この時代の人びとの美的感覚から刺激を受けているものでもあるようです。まさに人びとが神々の精神とともに生きていた時代であったのかもしれません。古代ギリシャの美は「調和」というような言葉で表現されることも多いようです。