額縁という芸術品の未来

額縁というものが、絵画を飾るための必需品として栄えてきた地位に陰りが見え始める一方で、高価な調度品として収集対象になるという、ある意味相反するような扱いを受けるようになってきたのはどういう訳なのか考えたときに、その原因の一つには室内の調度品のあり方に大きな変化がでてきたのではという説があります。

さらにもっと切実な原因として一世を風靡したような装飾的に優れた額縁が作れるような職人さんがほとんど見当たらなくなってきたこと。

とはいえ現存する各地の美術館等に保存されている額縁の修復はどうしても、という必要に迫られた修復職人さんが残るのみと言ってもいいのかもしれません。

ただそのような修復を専門にする人たちにも後継者がいないという切実な問題を抱えています。